ラッピングカーによる宣伝とは?法令から事例とオススメの広告媒体まで紹介
更新日:2024.12.02
ラッピングカーによる宣伝は、車両に広告を施工しておこなう広告手法です。ラッピングカー広告を検討するにあたり「予算はどのくらいか」「法規制はあるのか」など迷う方も多いのではないでしょうか。
ラッピング広告は、視認性が高く企業イメージの向上も図れる反面、法律規制や審査が厳しいなどの問題もあります。
この記事では、ラッピング広告のメリットやデメリット、関連する法律規制や広告事例を詳細に解説、くわえてラッピング広告よりオススメの広告媒体も紹介します。
ラッピング広告について詳しく知りたい方や、費用対効果の高い広告媒体に興味のある方はぜひ本記事を参考にしてください。
目次
ラッピング広告とは
ラッピング広告とは、バスやトラック、電車などの車体や建物の外壁を利用した広告手法です。広告を印刷した特殊なフィルムを車体や建物にラッピングして広告をおこないます。
ラッピング広告は、大きく分けて次の2つがあります。
- 車両を利用した広告宣伝
- 建物を活用した広告宣伝
車両を利用した広告宣伝
車両を利用した広告宣伝とは、ラッピング広告を移動する電車やバスに施しておこなう広告方法です。
主にバスやタクシー・電車などの公共交通機関、企業の営業車が利用されます。
視覚的にインパクトがある絵やデザインを車両にラッピングし、企業のブランドやイメージを広範囲に伝えます。
たとえば、電車ラッピングは、電車の大きな車体に広告を貼り付けて乗客や沿線の住民にアピールする手法です。また、バスやタクシー、自社の営業車のラッピング広告は、広告をカーラッピングし広範囲に届けます。
このように、車両を利用した広告は、移動する広告媒体として注目を集めています。
建物を活用した広告宣伝
建物を活用した広告宣伝は、都市部のビルや商店街の壁面を活用することで、多くの人の目に留まる効果的な手法です。
ビルの外壁や駅構内の壁面など大きなスペースを広告でラッピングすると、日常的に多くの人に広告を印象付けられます。広告場所を選定することで、届けたい年齢層や地域に狙いを定めた訴求が可能です。
自社ビルや店舗にラッピング広告をおこなえば、広告コストを抑えて広告宣伝ができます。
ただし、看板と同様に屋外広告物規制による制限があり、表現できる広告内容は狭められる可能性があります。
ラッピングカーの需要が増加中
近年、ラッピングカー広告の需要が増加しています。
企業がラッピングカー広告を採用している理由は、カーラッピングによる宣伝がコスト効率や広告効果に優れているためです。
ここでは、ラッピングカー広告について次の3つの点から紹介します。
- ラッピングカー広告の特徴
- ラッピングカー広告の種類
- ラッピングカーの活用事例
ラッピングカー広告の特徴
ラッピングカーとは、車体に専用のフィルムを貼りカラーやデザインを変更した車です。
広告を印刷したフィルムを施し、ラッピングカー広告をおこなうことができます。
ラッピング広告は、視認性が高く記憶に残りやすい宣伝広告です。
ラッピングカーと比較される「広告宣伝車」とは、荷台部分に広告を設置して走るトラックのことでアドトラックとも呼ばれます。荷物や人を運ぶのではなく、広告専門の車両です。
ラッピングカー広告は、バスやタクシー、営業車など役割のある車に広告をラッピングします。そのためコストパフォーマンスの面でメリットが大きいといえます。
ラッピングカー広告の種類
ラッピングカー広告の種類には、バスやタクシーなど公共交通機関を使った広告と自家用車を使った広告があります。
バスやタクシーを使ったラッピング広告は、公共交通機関の車両を利用して不特定多数に効果的なプロモーションが可能です。
一方、自家用車を使ったラッピング広告は、企業の所有する車両に広告フィルムを貼り付け、移動広告として活用します。ラッピングカーのデザインに企業の社名やロゴを入れ、認知力向上に利用できます。
カーラッピングにアニメキャラクターを入れ、ファンやターゲット層に強い印象を与えることも可能でしょう。
バスやタクシーなど公共交通機関と自家用車を利用したラッピングカー広告は、それぞれ異なる利点があります。
ラッピングカーの活用事例
ラッピングカーは、企業の広告活動やプロモーションにおいて効果的に使われています。
たとえば、配送車や営業車などに自社の社名やロゴを掲示することで、低コストで広範囲に自社名をアピールできます。
バスやトラックなどは広告面積も広く、ラッピングカーとしてのデザインもより自由です。多くの人への視認性も高く、インパクトのある広告が打ち出せるでしょう。
イベントや特別なキャンペーンのためにラッピングカーを利用することも有効です。福井県の漁連が地魚をPRするために、魚のイラストをカーラッピングして宣伝した事例があります。また、飲料のPRのために試飲イベントで活躍した事例などがあります。
ラッピング広告のメリット
ラッピング広告は、インパクトのある広告ですが、どのような効果があるのでしょうか。
特に以下の5つのメリットについて説明します。
- 視認性が高く嫌悪感を抱かれない
- ザイオンス効果による認知度向上が図れる
- 地域に密着したターゲティングができる
- 剥離性がよく取付・取り外しも簡単
- 企業イメージと社員意識の向上が図れる
視認性が高く嫌悪感を抱かれない
ラッピング広告は、視認性が高く嫌悪感を抱きにくい広告手法です。
ラッピング広告は、車両や建物の外壁に大きく表示されるため、多くの人の目に留まります。デザインやメッセージに工夫を凝らすことで、効果的にアピールできます。
また、ラッピング広告は、テレビCMなどのように繰り返しによる視聴疲れを引き起こす恐れがありません。自然に目に入るため、消費者にストレスを与えず好意的に受け入れられます。その結果、企業のブランドイメージの向上につながります。
ザイオンス効果による認知度向上が図れる
ラッピング広告は、ザイオンス効果(単純接触効果)により高い認知度向上が図れます。
ザイオンス効果とは、特定の対象に何度も接触することで親しみがわく心理効果です。ラッピング広告を施した配送車などが同じルートを繰り返し走行することで、消費者はそのブランドを繰り返し目にして記憶に残ります。
このように、ラッピング広告は反復効果によりブランド認知度を高め、消費者に好意的な印象を与えられます。
地域に密着したターゲティングができる
ラッピング広告は、地域に密着したターゲティングが可能です。
ラッピング広告は、バスや電車などの公共交通機関に施されることが多く、これらは決まったルートを定期的に運行します。そのため、地域の住民や通勤者に定期的に広告をアプローチできるのです。
さらに、地元のイベントや特産品などの広告を展開することで、地域住民の親近感を獲得しブランドの印象を高めることが可能です。
特に、交通量の多いエリアや駅など通行人が多い場所で運行することで、地域に根ざした広告効果がいっそう高まるでしょう。
剥離性がよく取付・取り外しも簡単
ラッピング広告は、剥離性のよさと取付・取り外しの簡単さが大きな特徴です。
広告フィルムがシ-ルのようになっているため、簡単に取り付けられ、比較的短時間で作業を完了できます。また、剥離性に優れたフィルムを使用すれば、車の塗装面を傷つけることなく簡単に取り外しが可能です。
季節のイベントやキャンペーンの際だけラッピングしたいときも、簡単に取り外し・取付ができるため、広告のコストと施工時間を節約します。
企業イメージと社員意識の向上が図れる
ラッピング広告は、企業イメージの向上と社員の意識向上に効果的な手法です。
ラッピングカー広告は「動く広告」としての特性があり、広範囲にわたって企業ブランドの認知度を高められます。特に都市部での効果が大きいでしょう。
また、企業名がラッピングされた自社車両を運転する場合、社員は会社の一員としての意識が芽生え、帰属意識が高まります。
ラッピングカー広告は、企業内外でのブランド認知力の向上だけでなく、社員の意識改革にも寄与する有効な方法です。
ラッピング効果のデメリット
ラッピング広告は視覚的なインパクトが強く、印象に残りやすい手法ですが、デメリットもあります。主に、次の3つのデメリットを詳しく説明します。
- 相応の費用がかかる
- 法律規制や審査が厳しい
- 効果の測定が難しい
これらのデメリットを考慮して、ラッピング広告を利用するときは十分な戦略を練ることが大切です。
相応の費用がかかる
ラッピング広告は、出稿場所や掲出する媒体に応じて相応の費用がかかります。
たとえば、都営バスのラッピング広告費用は以下のとおりです。広告期間やバスルート、ラッピングサイズによっても広告費用が異なります。価格はラッピングカー1台分です。
(フルラッピング)
営業所 | 広告料金(円)(税込) | |
1か月 | 1年 | |
新宿・杉並・小滝橋・早稲田・深川 | 220,000 | 2,200,000 |
千住・南千住・青戸・江戸川・臨海 | 88,000 | 880,000 |
(部分ラッピング)
営業所 | 広告料金(円)(税込) | |
1か月 | 1年 | |
新宿・杉並・小滝橋・早稲田・深川 | 110,000 | 1,100,000 |
千住・南千住・青戸・江戸川・臨海 | 44,000 | 440,000 |
その他にラッピングバスの施工費用は、1台につきフルラッピングで約120万~200万円(提出期間1年)です。部分ラッピングで約40万~80万円(提出期間1年)の費用が発生します。
また、ラッピングトラックの費用は、2tトラックの場合で、左右2面施工で13万円~、10tトラック左右2面施工で42万円~が相場です。
※価格は2024年11月調べ
法律規制や審査が厳しい
ラッピング広告のデメリットの一つは、法律規制や審査が厳しいことです。
宣伝カーや広告トラックを使用する場合、それぞれの自治体で定めた屋外広告物条例の規制対象です。内容やデザインが公共の場にふさわしいかどうかを厳密に審査されます。
地域やケースにより規制内容が異なるため、事前に管轄の自治体などへ相談するようにしましょう。
著作権に関する場合は、著作権者の許可が必要です。
たとえば、また、2011年改正の東京都屋外広告物条例では、良好な景観重視や道路交通の安全の面から、広告デザインの自主審査制度が導入されました。2024年5月以降は規制対象が都外ナンバーの車両にも拡大されています。
ラッピング広告をおこなう際には、法律規制に細心の注意を払う必要があります。
効果の測定が難しい
ラッピング広告は、視認性が高くブランドの認知力に寄与する反面、効果の測定が困難です。
ラッピング広告は、「移動する広告」のため、どれだけの人数が広告を目にしたかを把握することが困難です。また、広告によりどれだけの商品購入があったかなどを追跡するのも難しいと考えられます。
ラッピング広告の特定地域での効果を正確に測定するには、地域の人口動態や通行量など多くのデータを考慮しなければなりません。
このように、ラッピング広告の効果測定は複雑で、費用対効果の評価が難しい面があります。
効果測定について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
デジタルサイネージは効果測定ができるのか?測定の方法から流れまで詳細解説
ラッピング広告よりもオススメの広告媒体3選
ラッピング広告は広告が移動することにより、視認性も高く多くの人にアプローチできる手法ですが、よりオススメの広告媒体があります。
ラッピング広告より効果的な広告媒体は次の3つです。
- 建物の壁を利用する街頭ビジョン
- 電車やバスなどを利用した広告ビジョン
- ディスプレイを利用するデジタルサイネージ
建物の壁を活用する街頭ビジョン
街頭ビジョンは、駅ビルなどの壁面に設置される大型ディスプレイです。特に交通量の多い場所で設置されるため、視認性が高く多くの人々に訴求できる広告媒体です。
駅前や繁華街など、人が集まる場所に大型ビジョンを設置すると、遠くからも目に入りやすく注目度が上がります。映像や音を使った鮮明で印象の強い広告をおこなうと、話題になりやすくSNSでの拡散も期待できるでしょう。
ラッピング広告と比較して、街頭ビジョンは固定された場所で繰り返し広告を流します。そのため、特定のエリアでの商品広告やブランド認知の向上に効果的です。
電車やバスなどを利用した交通広告
交通広告は、電車やバス、タクシーなど公共交通機関や施設に関連したスペースを利用して掲出する広告手法です。
たとえば電車の中吊り広告、タクシーやバスの広告ステッカーやデジタルサイネージなどです。駅やパーキングエリアなどの施設内外に掲出する広告も含みます。
通勤通学客などに日常的に繰り返しアプローチできるため、広告の反復効果が高まります。また、広告媒体それぞれの特性を活かして、目的に合わせた最適な方法をとることが可能です。
ラッピング広告と比較して、目的やターゲットにより内容を変更できるため、より精度の高いマーケティング戦略が立てられるでしょう。
ディスプレイを利用するデジタルサイネージ
デジタルサイネージは、ディスプレイを利用して広告や情報を表示する手法で、ラッピング広告に比べても多くの利点があります。
デジタルサイネージは、駅やビルなどの大型ビジョンやバス・電車など公共交通機関、各種店舗などに設置されます。
主な利点は、画面が明るいため夜間でも視認性に優れ、限られたスペースで多くの情報を発信できることです。たとえば、通勤時間は会社員向け、昼間はファミリー層向けの情報を発信するなど、ターゲット層に合わせた情報提供ができます。
また、季節やイベントに合わせて、広告内容を変更することも容易です。
デジタルサイネージはターゲットに合わせた、効率のよい広告戦略がとれる手法だといえるでしょう。
デジタルサイネージ広告の費用相場について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
参照:デジタルサイネージ広告の費用相場を比較表で紹介!出稿を成功させるためのポイントも解説
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引用元:xAdbox公式HP
ラッピング広告は、視認性も高くインパクトのある広告手法です。しかし、近年はラッピング広告よりオススメの広告媒体が注目されています。
その代表例として、デジタルサイネージが挙げられます。交通機関や公共空間などでディスプレイを使い、夜間でも視認性を保ち多くの情報を発信できる広告手法です。
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まとめ
ラッピング広告は、視認性が高く、地域に密着した情報発信ができる広告手法です。ザイオンス効果により、企業のブランドイメージや認知度の向上が図れるでしょう。
一方、ラッピング広告は、法律規制や審査が厳しく、広告効果の測定が難しい面もあります。
ラッピング広告よりオススメの広告媒体として、デジタルサイネージ広告が注目を集めています。
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