コンビニでデジタルサイネージは出稿できる? 事例・メリット・費用相場を解説
更新日:2024.05.12
食料品や日用雑貨の販売、ATMなどさまざまなサービスを提供しているコンビニで、デジタルサイネージの広告活用が進んでいます。
幅広い年齢層の人が日常利用しているため、コンビニのデジタルサイネージ広告で宣伝すれば、多くの人に効率よくアプローチができます。
デジタルサイネージといえば、駅やショッピングモールをイメージする方が多いかもしれません。そのため、コンビニにおけるデジタルサイネージの活用法を知りたい方もいるでしょう。
そこで今回は、コンビニのデジタルサイネージ事情について解説します。コンビニでデジタルサイネージ広告を出稿するメリットやデメリットについても紹介するので、今後のマーケティングに活用してください。
目次
コンビニのサイネージ広告とは
近年コンビニでは、デジタルサイネージを活用したマーケティングの取り組みが盛んにおこなわれています。
背景には、消費者メディアの多様化やインターネットを介したデジタル広告の普及があります。そのため、オフラインとオンラインの垣根をなくした多角的なマーケティング施策が求められるようになってきました。
コンビニは、幅広い年齢層の人が多く訪れます。デジタルサイネージで魅力的な広告コンテンツを配信すれば、商品やサービスの宣伝に効果があるだけでなく顧客体験の向上にもつながります。
コンビニのデジタルサイネージは、レジ液晶POPの活用や、レジカウンター上部に大型のディスプレイを導入するなどさまざまです。
コンビニにデジタルサイネージ広告を出稿するメリット
デジタルサイネージといえば、ショッピングモールやインパクトのある屋外ビジョン、駅やバス停で見かけることが多いかもしれません。
コンビニでデジタルサイネージ広告を出稿すると、どのようなメリットや広告効果があるのでしょうか。
- 認知度が上がりやすい
- どの年代にも幅広くアプローチが可能
- 特定の地域にアピールできる
- ポスター・看板のように貼り替える必要がない
- 豊富なデータを収集し活用ができる
上記の点が、コンビニのデジタルサイネージ広告のメリットです。デジタルサイネージ広告は、ディスプレイを用いて映像や音楽などで情報発信するため、視認性が高い媒体です。それでは、個別に見ていきましょう。
認知度が上がりやすい
コンビニでデジタルサイネージ広告を出稿するメリットに、認知度が上りやすいことが挙げられます。コンビニは定期的に利用する人も多く、接触率・視認率とも高いため幅広いターゲット層に効果的な訴求が可能です。
コンビニでは、レジ液晶やカウンター上部のデジタルサイネージで広告を配信することが多いです。レジ待ちの動線上にあるため、待ち時間を活用し効果的な宣伝ができることもメリットといえます。レジ待ちのイライラも解消でき、顧客満足の向上も期待できるでしょう。また、売り出し中の商品の近くで、デジタルサイネージ広告で商品やサービスを宣伝するのも効果的です。お客様の興味関心が高まり、消費行動の促進につながります。
どの年代にも幅広くアプローチが可能
コンビニは、特定の世代に偏らず多くの人が日常的に利用しています。デジタルサイネージ広告で宣伝すれば、どの年代にも幅広くアプローチが可能です。
これまでは、テレビや新聞などのマス広告が多く活用されてきました。しかし、デジタル広告が主流になってきてからは、オンラインとオフラインの両方を活用したマーケティングが増えています。
ターゲットが限定されるテレビや新聞、インターネット広告と違い、コンビニを利用する幅広いターゲット層に対してアピールが可能です。デジタルサイネージ広告はコストの削減にもつながります。コンテンツ更新が柔軟にできて多くの情報を発信できるため、高い広告効果を上げることができます。
特定の地域にアピールできる
特定の地域にアピールができることも、コンビニでデジタルサイネージ広告を出稿するメリットです。
日本フランチャイズチェーン協会によると、コンビニは全国に55,620店(2024年3月時点)あります。特定の地域に絞った広告展開が可能で、地域限定の商品を宣伝するのにも向いています。地域に根ざした情報発信ができるのもコンビニ広告のメリットといえるでしょう。
イベントやキャンペーン、セールなど、コンビニ利用者が興味関心を引くようなコンテンツでアピールすれば、販売促進効果が得られます。また、コンビニの多くが24時間営業であるため、時間に制限なく年中無休で情報発信できることは、大きなメリットとなるでしょう。
ポスター・看板のように貼り替える必要がない
デジタルサイネージ広告は、ポスターや看板のように張り替える必要がありません。紙媒体と比較して、デジタルサイネージは来店客の目につきやすく、映像を通して多くの情報を伝えられます。
デジタルサイネージの魅力は、高画質の映像で広告表現ができることにあるでしょう。季節感のある食品の映像は、見た人に購買意欲をあたえ売上アップにつながります。
また、デジタルサイネージは柔軟にコンテンツの更新ができます。利便性がよく、キャンペーンのたびにチラシやポスターを張り替える手間や労力が軽減されることもメリットといえるでしょう。
デジタルサイネージ広告を活用し、時間帯や曜日に合わせてリアルタイムで情報発信すれば、高い広告効果を得ることが可能です。
豊富なデータを収集し活用ができる
デジタルサイネージ広告は効果測定がしやすく、豊富なデータを収集し活用できます。ポスターや看板ではできない視聴者の性別・年齢といった属性、コンテンツごとの視聴者数や視聴時間など細かくデータを集計できます。
こうした効果測定を実施することで、より宣伝効果の高いマーケティングとプロモーションが実現します。通勤時間や土日など、利用する人の属性の変化に合わせ、それぞれのニーズに沿った訴求力のある宣伝が可能です。
また、コンビニ利用客の目的はさまざまですが、商品の購入に積極的な人が多くいます。そういったターゲット層へ向けて、デジタルサイネージ広告はダイレクトに訴求ができる点もメリットといえるでしょう。
コンビニにデジタルサイネージを導入するデメリット
高い広告効果が得られるデジタルサイネージは、プロモーションツールとして多くの企業が活用しています。
コンビニの活用も増えていますが、デジタルサイネージを導入するデメリットはあるのでしょうか。コンビニにデジタルサイネージを導入するデメリットは、以下の点があります。
- 費用が高額になりやすい
- 出稿できるコンビニが限られている
- 機材トラブルで配信ができないリスクがある
デジタルサイネージの導入にあたっては、メリットとデメリットの両方を考えて出稿を検討しましょう。
費用が高額になりやすい
コンビニでデジタルサイネージ広告を出稿するデメリットとして、費用が高額になりやすい点が挙げられます。
デジタルサイネージの導入には、ディスプレイやデータを再生する機器、設置工事費やコンテンツ制作費などがかかります。また、ランニングコストとしてサーバー費用やサポート費用、電気代などの経費がかかることを把握しておきましょう。
コンテンツ制作を自作出来ない場合は、業者に依頼することになりますが、広告を出稿する目的をはっきりさせた上で依頼することをおすすめします。無料プランニングをおこなっている会社もあるので、予算や広告目的を相談してみるとよいでしょう。
出稿できるコンビニが限られている
全国にコンビニはたくさんありますが、デジタルサイネージ広告を出稿できるコンビニは限られています。コンビニの導入実績は増加傾向にありますが、コンビニ会社によってまだ少ないところもあるでしょう。
大型ディスプレイはインパクトのある映像で視覚的に高い効果を生み出します。しかし、まだ導入していない店舗もあります。そういった場合は、レジに設置されている液晶POPを活用する方法があります。
大手コンビニ会社でも、デジタルサイネージ広告事業に積極的なコンビニとそうでないコンビニがあることを把握しておきましょう。デジタルサイネージ広告をコンビニに出稿する際は、設置店舗や広告目的をよく検討したうえで出稿することが重要です。
機材トラブルで配信ができないリスクがある
デジタルサイネージの導入にあたって気を付けたい点に、機材トラブルで配信ができないリスクが挙げられます。
デジタルサイネージは機械であるため、故障しないとは言い切れません。電気がないと使用できないため、停電などのトラブル時は配信できません。また、通信回線の不具合などでコンテンツ更新ができないケースもあります。
デジタルサイネージ広告を出稿する際は、機器のメンテナンスやサポートなどの契約もよく確認しましょう。デジタルサイネージは設置すれば終わりということではなく、定期的なメンテナンスやコンテンツ更新をこまめにしていくことが重要です。
おもなコンビニのデジタルサイネージ事情
ここまで、コンビニのデジタルサイネージ広告のメリット・デメリットを解説してきました。
国内の主なコンビニ会社のデジタルサイネージ事業が気になる方もいることでしょう。ここからは、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップの4社を解説していきます。
現在のところ、デジタルサイネージ事業に関しては、セブンイレブンやローソンに比べ、ファミリーマートが積極的に活用し、先行している傾向が見られます。
セブンイレブン
日本国内でトップシェアを誇るセブンイレブンは、2022年9月にリテールメディア推進部を設置し、広告事業に取り組んでいます。
リテールメディアは、顧客の購買データや行動データをもとに、デジタルサイネージなどのメディアで広告収入を得るのが狙いです。
セブンイレブンでは2022年内に東京都内の直営店12店舗にデジタルサイネージを設置後、現在、首都圏に約100店設置し実施検証をおこなっています。
全国のセブンイレブンの店舗には、1日あたり約2,000万人が来店し、アプリによる広告配信や外部メディアと連携した広告で高い効果をあげています。業界大手のセブンイレブンの今後の広告事業が注目されていくでしょう。
ファミリーマート
デジタルサイネージに積極的なファミリーマートの場合、全国に店舗が約16,300店あり、その内の10,000店へ設置が完了しています。ファミリーマートは、大手コンビニの中でいち早くリテールメディアへの参入を果たしたといえるでしょう。
ファミリーマートに行くと、カウンター上部にある横長ディスプレイの美しい映像がすぐ目に入ってきます。「FamilyMartVision」は、スクリーンを3連結したディスプレイで、インパクトのある訴求が可能です。
より細分化された配信プランを提供し、広告主のニーズに応えられるようになってきました。これまでに設置した店舗においては、デジタルサイネージで広告を配信したことで商品の店舗売上が平均して2割以上アップするなど、高い広告効果を得ています。
ローソン
ローソンは、47都道府県全てに出店しています。全国に約15,000店舗あり、約32,000台のPOSレジ画面がデジタルサイネージ広告メディアとなっています。
静止画及び動画の配信に対応しており、エリアごとにわけた広告配信も可能です。コンビニの新商品やキャンペーン、サービスなどが画面で表示され、利用者の興味を惹きつけています。
ローソンは、中国の日系コンビニではトップシェアを誇っています。中国のコンビニ市場で好調な理由は、アフターコロナの市場ニーズをいち早く感知し、取り入れたことにあるでしょう。中国では専用アプリの利用や店内にデジタルサイネージを設置し、販促に効果を上げています。
ミニストップ
ミニストップでは、店内のレジカウンター上部に大画面のデジタルサイネージディスプレイ「ミニストップビジョン」を設置しています。43型モニターを4面使用したマルチディスプレイはファストフードメニュー近くにあるため、視認率が高く目を惹きつけられます。
ミニストップは、コンビニとファストフードのコンボストアです。フードを注文するお客様の動線上にディスプレイがあることで高い広告効果が得られます。他にもファストフードを注文した方の呼び出しモニターがあり、ここでも広告配信が可能です。
2024年2月末時点で、4面マルチディスプレイ&1面ディスプレイ導入店舗が451店舗、1面ディスプレイ導入店舗は1,259店となっています。
コンビニのデジタルサイネージ広告費用相場
コンビニ広告に興味がある方は、広告費用が気になる方も多いことでしょう。ここでは、コンビニのデジタルサイネージ広告費用相場を解説します。
- コンビニのデジタルサイネージ広告出稿費用
- 他デジタルサイネージとの比較
コンビニは、地域によって広告出稿費用が異なります。デジタルサイネージ広告を出稿する際は、他のデジタルサイネージとの比較も合わせて検討するようにしましょう。
コンビニのデジタルサイネージ広告出稿費用
ここでは、国内コンビニでも力を入れているファミリーマートとミニストップの例を紹介します。
ファミリーマートレジ液晶デジタルサイネージ広告掲載費用
放映エリア | 1週間(税込) | 2週間 |
全国 | 1,540,000円 | 2,530,000円 |
北海道 | 165,000円 | 330,000円 |
東北 | 297,000円 | 594,000円 |
北関東 | 242,000円 | 484,000円 |
首都圏 | 825,000円 | 1,650,000円 |
中部北陸 | 660,000円 | 1,320,000円 |
関西 | 572,000円 | 1,144,000円 |
中国 | 242,000円 | 484,000円 |
四国 | 198,000円 | 396,000円 |
九州 | 330,000円 | 660,000円 |
沖縄 | 198,000円 | 396,000円 |
レジ液晶デジタルサイネージ広告の出稿費用は、エリアごとに細かく分けられています。広告時間は、15秒×6回/h×24時間=144回/日(レジ1台あたり)です。3週間、4週間の掲出も可能で、県別の放映もできます。
また、大型のFamilyMartVisionの広告費は管理会社に問い合わせが必要です。広告出稿費用は時期により変更されるため、掲載の際は管理会社に確認するようにしましょう。
ミニストップのミニストップビジョンは、全国15秒1週間で2,750,000円(税込)となっています。こちらは、23年10月末までの掲出費用となっているため、現在の費用は管理会社に確認するようにしてください。
他デジタルサイネージとの比較
媒体別の比較表をまとめましたので、デジタルサイネージ広告を検討する際の参考にしてください。
媒体種類 | 掲載場所 | 期間 | 費用(税込) |
電車車両内広告 | 東京メトロ全線セット | 1週間 | 3,850,000円 |
駅構内広告 | J・ADビジョン渋谷
(渋谷駅ハチ公改札) | 1週間 | 198,000円 |
屋外広告 | 渋谷スクランブルスクエアビジョン | 1週間 | 1,650,000円 |
店内広告 | イオンチャンネル | 2週間 | 7,150,000円 |
空港広告 | 羽田フューチャービジョン | 1ヶ月 | 1,650,000円 |
タクシー広告 | GROWTH 東京エリアECONOMY VIEW | 1週間 | 3,300,000円 |
参照:電車広告.com オーマッチ 交通広告ドットコム 交通広告ナビ オーマッチ
上記は一例で、このほかにもバス広告やマンション、トイレなどさまざまな媒体でデジタルサイネージ広告が可能です。
デジタルサイネージは掲載場所やデジタルサイネージの種類によって大きく費用が異なるため、広告目的と詳細なターゲティングで出稿を検討するようにしましょう。
まとめ
コンビニでデジタルサイネージ広告を活用すれば、認知度向上や販売促進、顧客満足度向上などさまざまなメリットが期待できます。
また、デジタルサイネージの効果測定で得られたデータをマーケティングに活用することも可能です。柔軟にコンテンツ更新ができるデジタルサイネージで、費用対効果の高い広告が実現できるでしょう。