エレベーターサイネージ広告とはどんなもの?活用する3つのメリット・ポイント・料金相場も紹介

エレベーター前での待ち時間やエレベーター内での時間は利用者にとってスキマ時間になります。スマホを見ていない人はエレベーターの扉を見続けたり、エレベーター内なら正面や上を見たりするしかありません。

そのスキマ時間こそ、広告を見てもらえる効果的な時間といえます。あまり興味のない広告でも見るところがないので自然と広告に目がいき、注目するでしょう。

最近では、都心部のオフィスビルのエレベーターホールなどにモニターが設置されています。そこに商品PRなど広告を配信しているサービスこそ、エレベーターサイネージ広告なのです。

この記事では、エレベーターサイネージ広告の活用メリットや料金相場などを紹介します。もし、効果的な広告を作りたいと思っているなら、ぜひ最後までお読みください。

※本記事は、2024年4月13日に調査した時点での情報を掲載しています。閲覧の時期によっては情報に誤りがある可能性があるため、ご留意ください。

エレベーターサイネージ広告とは

エレベーターサイネージとは、エレベーター内やエレベーターホールに設置されたデジタルサイネージ(電子看板)を使った広告のことをいいます。

従来は紙媒体の広告が主流でしたが、動画広告やメディア情報などをタイムリーに発信できるため、最近ではエレベーターサイネージが普及してきています。

そのうえ、エレベーターは他の利用者と同じ密閉空間で過ごさなければいけません。短い時間でも目のやり場に困る場合、デジタルサイネージが設置されているとそこに関心がいき、注目度は高まるのです。

そのため近年、エレベーターがあるホテルや病院、商業施設などにデジタルサイネージを設置し、利用者に自社商品を訴求する会社も増えてきています。

エレベーターサイネージ広告を活用する3つのメリット

エレベーターサイネージ広告を設置すると、様々なメリットがあります。理由として、エレベーターは狭い空間で短時間しか利用しません。その状況を生かし、音声付き動画や広告配信をして電車や駅前看板にはない認知度を得られることが可能です。

そこで、エレベーターサイネージ広告を活用するとどのようなメリットが生じるか、3つのポイントに絞って紹介します。

  • 繰り返しの訴求を期待できる
  • ターゲットをわけて訴求できる
  • BtoB商材との相性が良い

繰り返しの訴求を期待できる

デジタルサイネージは、配信する時間帯や広告をコントロールできます。それにより、興味がない事でも、毎日見ていると段々と興味が強くなる単純接触効果(ザイオンス効果)が期待できます。

例えば、テレビCMに流れている曲を毎日聞いているうちに、自然と覚えて歌ってしまう経験があると思います。

同じように、エレベーターの中でも毎日同じ時間帯に広告を何回も流すことによって単純接触効果が発生し、広告が頭に残るという心理的現象が起こるのです。

ただし、見ている人に不快感を与えないように、データを確認しながら調整することも必要になっていくでしょう。

ターゲットをわけて訴求できる

街中に溢れているデジタルサイネージ広告は、不特定多数の人々に見てもらうために大まかな情報をわかりやすく配信しています。それがエレベーターという特定した場所であれば、さらにターゲットを絞りやすくなるのです。

エレベーターはマンションや病院、商業施設など訴求対象がはっきりと分かれています。病院のエレベーターでデパートのイベント広告を配信しても集客効果はあまり期待できません。

病院なら健康に関する情報を提供するなど、ピンポイントで情報を発信できます。このようにエレベーターサイネージは、設置場所に合った広告を配信できるのです。

BtoB商材との相性が良い

BtoBでは、一度取引を開始すると複数人が関与し、検討してから契約までに時間がかかるのが特徴です。

しかし現代のマーケティング業界では、情報提供のスピードアップが戦略のひとつで、あまり時間をかけて行うと顧客を逃してしまう可能性があります。

そこでエレベーターサイネージ広告を活用すると、今まで時間をかけていたプロモーションが一気に短縮され、BtoB商材を素早くマーケティングすることができます。

また、アプローチできる企業がはっきりしているため、BtoB商材を確実にリーチさせられるのが最大のメリットです。

エレベーターサイネージ広告が活用されている主な施設

2024年現在、約5,500基のマンション内のエレベーターにサイネージ広告を配信し、月間約1,550万人にリーチが可能だという企業があります。

次に紹介するのは、積極的にエレベーターサイネージ広告を活用している主な設置場所です。気付かないうちに私たちはサイネージ広告に触れていると実感するかもしれません。

  • マンション
  • 病院
  • 商業施設
  • オフィス用ビル
  • 大学

参照元|PRtimes

マンション

マンションのエレベーターにサイネージ広告を配信する最大のメリットは、入居者への情報共有です。エレベーターがあるエントランス付近に設置すれば、ゴミ収集のお知らせから、地域イベントの発信など入居者全員に周知したい情報を狭い空間で共有できるのです。

また、通勤時間や帰宅時間などピンポイントで配信すれば、単純接触効果が発揮し印象に残る情報を効率よく配信できBtoC戦略にもつながります。

その他、災害時の避難経路や防災情報など掲示板で見ることが少ない人でも、人目につきやすく効果的に知りたい情報を届けることができるでしょう。

病院

病院施設にも、エレベーターサイネージ広告は多く設置されています。。なぜなら、病院は入院患者だけではなく、多くの外来患者や医療従事者が訪れるからです。

外来患者であれば、病院での周知事項や診療時間などの情報も共有できます。医療従事者であれば、病院の特色や医師の紹介をすることによって、様々な視点からのアプローチが可能になります。

もちろん、入院患者のための娯楽やスポーツなどの情報、健康についてのアドバイスを流すことにより、安心感や信頼感を持ってもらうことにもつながります。

病院という少しセンシティブな場所でも、エレベーターサイネージ広告があることによって開放的な空間に近づくことができるかもしれません。

商業施設

大型商業施設のエレベーターは、他のエレベーターより一度に乗る定員が多いため様々な客層に一度にアプローチすることが可能です。

特に各階ごとのインフォメーションなどを配信すれば探したり迷ったりせず、客の満足度につながります。

また、簡単にいつでも広告を変えることができるので、イベントや特価セールの告知、近隣道路や駐車場の混雑状況を逐一お知らせすることができるのです。

実際、これらのアプローチによって商業施設の売り上げにも反映すると言っても過言ではないでしょう。エレベーターサイネージ広告は、商業施設をプロモーションする場の一端を担っているのです。

オフィス用ビル

オフィスビルのエレベーターは、企業の一般社員から役員クラス、その企業に訪れる取引先の担当者も利用します。

エレベーターサイネージ広告を使えば、普段直接アプローチできない決裁者にもマーケティングが可能で認知性も高く、BtoB商材を提供するのに最適です。

サイネージ広告自体の視聴時間は短いですが、ペルソナを明確化したプロモーションを行うことで効率よく成果へとつなげられるでしょう。

そのほか、出社時間やランチ時間、退社時間などを考慮し、単純接触効果で何度もアプローチすることによって印象に残す戦略も効果的です。

大学

大学や学校では、学生に休講のお知らせを発信することが多いです。そのため、ターゲット層を絞り込むことが容易で、効果的に広告を打ち出せます。

またマンション同様、大学からの情報も素早く配信することも可能なので、わざわざ掲示板等で告知する手間が省けます。

外国人留学生が多いときは、日本語と英語の広告を活用すれば、情報を即座に共有することも可能なのです。

大学のキャンパスが広ければ広いほどエレベーターサイネージの広告は効果的で、多くの人に注目されること間違いありません。エレベーターホール前は学生のコミュニティの場にもなるので、多くのメリットが期待できます。

エレベーターサイネージ広告の事例

これまでエレベーターサイネージ広告のメリットや活用方法を紹介しました。そこで、実際エレベーターサイネージを提供している企業は、どのようなサービスを行っているか事例を踏まえて紹介します。

  • テレシー
  • LiftSPOT

今回は、エレベーターサイネージ向けのCMプラットフォームを提供している会社と、ハードウェアの開発などを提供している会社を紹介しています。これから大手企業がどんどん参入してくることは間違いないでしょう。

テレシー

株式会社テレシーは、エレベーターサイネージメディア「GRAND」を展開する広告会社です。主にテレビCMの企画プランニングから制作・効果分析をして、改善策や最適化案を提案しています。近年では、タクシー広告やエレベータサイネージ、ヘリコプターサイネージなどの媒体施策も行っています。

エレベーターサイネージ広告に関しては、国内大手広告代理店を抑え年間販売額1位を達成したこともある優良企業です。エレベーター内のプロジェクターにプロモーション動画の出稿も可能で、自社も広告主として出稿、幅広い実績やノウハウを活用しターゲットに沿った広告配信を実現しています。

引用元|テレシー

LiftSPOT

LiftSPOTは、エレベーター専用の防犯カメラ付きデジタルサイネージサービスでエレベーターサイネージとしては日本最大規模の設置台数を誇ります。防犯カメラ付きなので、ビルやマンションの安全性や快適性も向上させるなど、生活導線に寄り添ったサービスを提供しています。

また、首都圏を中心に11,030台の設置数で月間リーチ数は約4,600万人です。そのうち約60%が住居用マンションになります。

通常、民間企業の商品などをPRする動画を配信しますが、近年地方創生プロジェクトに賛同し、地方自治体を応援するプロジェクトも立ち上げているのです。

引用元|LiftSPOT

エレベーターサイネージ広告の料金相場

エレベーターサイネージ広告の料金相場は、150~300万円の範囲といわれています。例えば、さきほど紹介したLifeSPOTは、オフィスビルプラン1,500台・14日間で税込154万円です。

また、東京および主要都市のオフィスビルで展開している株式会社東京のGRANDは、2,100台・7日間で税込275万円になります。金額は、施設や場所によって変動します。

これらの具体例を挙げると、他のデジタルサイネージの料金相場より少し割高に感じるかもしれません。

ただ、エレベーターサイネージ広告は、他のデジタルサイネージ広告よりターゲットを詳細に絞ることができます。その結果、短時間で確実にアプローチできるというメリットがあるのです。

参照元|GMOアドマーケティング

エレベーターサイネージ広告で効果を出すためのポイント

エレベーターサイネージ広告は、メリットは多くありますが競合他社の広告とバッティングしたり、出社を前提としない企業の場合効果が薄れたりというデメリットもあります。

そこで最後に、エレベーターサイネージ広告を最大限活用するためにどのようなアプローチが有効なのか紹介しますので、ポイントを押さえておきましょう。

施設別の効果を調べる

エレベーターサイネージ広告を多く配信したからと言って、認知度が高まり注目されるとは限りません。

設置された場所の利用者の特徴を分析して、最も有益な広告を配信することによって最大限のビジネスチャンスが生まれるのです。

例えば、マンションであれば防犯カメラを搭載したエレベーターサイネージを設置するなど、その施設の効果をリサーチして広告をプロモーションすれば、注視率にもつながりマーケティング戦略が成功したといえます。

広告を配信する時間帯を調整する

デジタルサイネージは、ポスターや紙媒体とは違い、広告配信の時間指定が可能です。そのため、時間帯でターゲットの行動をリサーチし配信することができます。

例えば商業施設の場合、午前中は主婦や高齢者向けの広告、夕方は仕事帰りのビジネスパーソン、土日はファミリー向けの広告と言ったように分けられます。

時間帯に合った広告を配信すれば、ターゲットを取りこぼすことなく多くの反響を得られることによって認知してもらえるでしょう。

広告内で伝える情報をしぼる

エレベーターに滞在する時間は短くて15秒前後です。この短い時間でターゲットに合った情報を配信するには、その内容も大切になってきます。

ターゲットを絞り込んで発信すると言っても、内容が余りにも専門過ぎたり情報過多になったりしていると、関心が薄れ逆効果になってしまいます。また、ターゲット層以外の人には全く効果がありません。

短時間で見た人の印象に残る広告を作成するときは、主張したいことを冒頭に延べて視覚や聴覚効果も使い五感で印象に残る内容を作りましょう。

広告の効果測定を続ける

エレベーターサイネージ広告を配信したら、そこで終了ではありません。きちんと効果測定を行うことによって、今後の見込み顧客の予想ができるのです。

ただ、オフライン施策の場合は、効果測定をしたり判断するのは難しいです。しかし、問い合わせの件数やアンケートなどを駆使して効果測定を行えば、効率よく見込み顧客を獲得できるでしょう。

また、効果測定をすることによって無駄を省くことができ、広告出稿のコストを抑えることも可能になります。

まとめ

エレベーター内は狭いパブリック空間で短時間しか利用しないため、利用客は何もすることがありません。

しかしその空間は限られた空間なので、広告を配信してアピールするには効果絶大なのです。

なぜなら、デジタルサイネージのメリットを活かし反復して訴求すれば、認知されて印象に残る可能性が高いからです。

またBtoB商材のマーケティングをする場合、エレベーターサイネージ広告は最も有力で、担当者から決裁者すべてにリーチができ効率よくアプローチできるのです。

広告出稿の際には、この記事で紹介した内容を参考に、予算に合った料金プランの出稿場所を探しましょう。