Google Ad Grantsとはどのようなもの?NPO法人が活用すべき理由まで詳細解説
更新日:2025.04.24

「NPOの活動をもっと多くの人に知ってもらいたい」
「限られた予算で広報や集客を強化したい」
そんな悩みを抱える団体様は多いのではないでしょうか。
Googleが提供する非営利団体向けの支援プログラム「Google Ad Grants」を活用すれば、毎月最大10,000ドル分の広告費用を無料で使うことができ、団体の認知度や社会的インパクトを飛躍的に高めることが可能です。
この記事では、Google Ad Grantsの概要から申請条件、導入ステップ、注意すべき制限、効果的な使い方まで、NPO法人が活用するために必要なすべての情報を網羅的に解説します。
目次
Google Ad GrantsをNPO法人が活用するべき理由
Google Ad Grantsは、単に広告を出せるだけでなく、団体の知名度向上、支援者の獲得、活動の社会的浸透など、あらゆる広報課題を解決するための強力な手段です。
ここでは、NPO法人がGoogle Ad Grantsを活用すべき明確な理由を2つの視点から紹介します。
広告費用を毎月最大$10,000分まで無料で受け取れる
NPO法人にとって最大のメリットは、Google広告において月10,000ドルまでの広告費を“無償”で利用できる点です。
通常の有料広告と同じように、検索キーワードに連動したリスティング広告を配信でき、団体の活動ページやイベント案内ページへ誘導することができます。
この仕組みにより、広告予算を気にせず、大胆なプロモーション戦略を構築できるようになります。
特に、資金繰りに苦慮する非営利団体にとっては、予算面でのリスクを抑えながらも、アクセス数や認知度を向上させる絶好の機会です。
一般的な商用広告と違って、目的は利益ではなく社会貢献であるため、公益性のある団体にとってGoogle Ad Grantsは非常に相性の良い制度だといえるでしょう。
速攻性のある認知度拡大やブランディングができる
Google検索広告は、ユーザーの検索意図に応じて即座に表示されるため、情報発信の即効性が高いのが特徴です。
広告によって公式サイトに誘導することで、団体の活動や理念、支援の方法などを効果的に伝えることができます。
特に立ち上げ初期のNPOや、特定の地域・テーマで活動している団体にとっては、「見つけてもらう」ことが支援獲得の第一歩となるため、このスピード感は非常に重要です。
また、検索広告によって表示される団体名やキャッチコピーは、ブランド認知の強化にも直結します。
短期間での周知拡大やイベント集客、ブランディングにおいてもGoogle Ad Grantsは有効な選択肢となります。
Google Ad Grantsの参加条件
Google Ad Grantsはすべての非営利団体が利用できるわけではなく、いくつかの明確な参加条件が設けられています。
これを満たさないと申請しても却下されるため、事前に要件をしっかり確認しておくことが大切です。
ここでは特に重要な2つの条件について解説します。
テックスープ ジャパンへの登録
Google Ad Grantsを利用するためには、まず「テックスープ ジャパン(TechSoup Japan)」に団体登録を行う必要があります。
テックスープは非営利団体の資格確認を行う第三者機関であり、Google Ad Grantsを含む各種テクノロジー支援の前提条件となっています。
登録手続きは無料で、団体情報や活動実績などを提出し、審査を受けることで認証が得られます。
この認証を受けることで、Google側はその団体が信頼できる非営利組織であると判断し、広告支援を開始する準備が整います。
特に、日本国内で活動しているNPO法人・公益法人にとっては、Google Ad GrantsをはじめとしたITリソースを得るための“登竜門”といえるステップです。
早めに申請しておくことで、その後のスムーズな導入につながります。
特定非営利活動法人、公益法人、または社会福祉法人であること
Google Ad Grantsに申請できるのは、特定の法人格を有する非営利団体のみです。日本においては、主に以下の3つの法人が対象となります。
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人・公益財団法人
- 社会福祉法人
これらの団体は、営利を目的とせず公益活動に従事していることが要件とされ、Googleの支援対象に含まれます。
ただし、病院や教育機関、政府機関、政治団体、個人事業としての非営利活動などは対象外となるため注意が必要です。
また、活動内容やサイトのコンテンツにも一定の基準があり、信頼性のある情報発信が求められます。
法人格の有無は審査時に最も重要視されるため、正式な登記と明確な活動実態が必要です。
Google Ad Grantsを活用するまでの流れ
Google Ad Grantsは、申請すればすぐに使えるというものではありません。認証・登録・アカウント設定・広告作成といった複数のステップを経る必要があります。
ここでは、NPO法人がGoogle Ad Grantsを効果的に利用するために必要な流れを、4つのフェーズに分けて解説します。
Percentの認証を受ける
まず初めに、Google Ad Grants利用に必要な認証機関である「Percent(パーセント)」の承認を得る必要があります。
PercentはGoogleと提携している団体で、非営利団体の資格や活動の透明性を確認する役割を担っています。
申請はオンラインで行い、団体情報、活動内容、ウェブサイトURL、連絡先などを入力し、数日間の審査を経て認証が発行されます。
この認証を取得することで、Google for Nonprofits(非営利団体向けGoogleプログラム)に正式参加できるようになり、その中でGoogle Ad Grantsのアカウント開設に進むことが可能になります。
Percentの認証が最初の関門となるため、団体情報の整備と正確な入力が重要です。
Google Ad Grantsのアカウントを作成する
Percentの認証を得た後は、Google for Nonprofits(非営利団体向けGoogleサービス)のアカウントを開設します。
このポータルサイトにログインし、「Google Ad Grants」を選択すると、広告用アカウントの作成手続きに進むことができます。
ここでは、団体名やウェブサイトのURL、所在地などの基本情報に加え、今後運用するGoogle広告アカウントの目的や設定方針も入力します。
アカウント作成後、Googleによる初期審査を受ける必要がありますが、広告ポリシーに準拠した正しい情報が設定されていれば数日以内に承認されます。
なお、誤って有料版Google広告のアカウントを開設しないよう注意が必要です。
Ad Grants専用アカウントであることを確認しながら、丁寧に手続きを進めましょう。
新しいキャンペーンを作成する
アカウント開設後は、広告配信の基本となる「キャンペーン」の作成に進みます。
Google Ad Grantsでは、キャンペーンタイプとして「検索広告(テキスト広告)」のみが選択可能です。
キャンペーン作成時には、目的(例:ウェブサイトへの訪問)、ターゲット地域(日本全国、または都道府県単位)、予算の配分などを設定します。
また、キーワードの選定もこの段階で行います。団体の活動内容や目的に関連した検索語句を設定することで、ターゲットとなるユーザーに情報を届けやすくなります。
キーワードには制限があるため、具体的で意図の明確な単語を選ぶことが成功のポイントです。
複数のキャンペーンを並行して運用することで、目的別に訴求軸を変えた効果的な広告展開が可能になります。
新しい広告を作成する
キャンペーン作成後は、実際に検索結果に表示される広告文を作成します。
Google Ad Grantsでは、テキスト形式の広告のみが使用でき、見出し・説明文・リンク先URLで構成されます。
見出しには魅力的な訴求ワードを入れ、説明文では団体の活動内容や訴求ポイントをわかりやすく伝えることが求められます。
たとえば、「○○の子どもたちに教育を届けるNPOです」や「寄付で未来を支援できます」など、社会的意義が伝わる文言を意識すると効果的です。
また、リンク先のページが広告文の内容と一致していることも重要で、ミスマッチがあると品質スコアが下がり、広告表示に不利になります。
複数の広告を同時に作成し、ABテストで効果の高いものを検証することもおすすめです。
Google Ad Grantsの制限・制約
Google Ad Grantsは非常に有益な支援制度ですが、商用広告とは異なりいくつかの制限やルールが設けられています。
これらを理解せずに運用を始めると、広告効果が出にくくなるばかりか、アカウントの停止リスクにもつながります。
ここでは、事前に理解しておくべき代表的な制限事項を詳しく解説します。
入札単価上限が決められている
Google Ad Grantsでは、検索キーワードに対する広告の入札上限額(CPC)が1クリックあたり2ドル(約300円)に制限されています。
これは、一般のGoogle広告と比べて相場より低く設定されているため、競合の多いキーワードでは広告が表示されにくくなる可能性があります。
特に人気のある単語や地域名、広く使われる言葉はクリック単価が高騰するため、適切なキーワード設計が求められます。
この制限を回避する方法としては、「スマート自動入札戦略(Maximize Conversions)」を使用することが挙げられます。
ただし、この機能を使うにはコンバージョン設定を行う必要があり、導入にはある程度の知識と準備が必要です。
CPC上限を理解した上で、競合を避けつつ適切なキーワードを選定することが、効果的な広告運用の鍵となります。
予算上限が決められている
Google Ad Grantsでは、1か月あたり最大で10,000ドル(約150万円)の広告費が上限となっています。
これは一見すると十分な金額に思えますが、対象キーワードのクリック単価や広告の表示頻度によっては、全額を使い切れないケースも少なくありません。
また、上限額は全世界共通で設定されており、日本国内の利用においては特に制限を強く感じることがあります。
さらに、この予算枠は繰り越しができないため、その月に使い切らなければリセットされてしまいます。
したがって、無駄なく使い切るためには、定期的な広告文の見直しや、複数キャンペーンによる分散運用が有効です。
限られた枠の中で最大限の効果を出す工夫が求められます。
配信手法はテキスト広告のみに限定されている
Google Ad Grantsでは、利用できる広告形式が「検索連動型のテキスト広告」に限定されています。
つまり、YouTube広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告といった画像・動画・商品連動型の広告は使用できません。
そのため、画像で訴求したいキャンペーンや、動画を活用したブランディング施策には不向きといえます。
しかしながら、検索連動型広告は「今まさにその情報を探している人」に対してダイレクトにリーチできる点が大きな強みです。
テキスト広告に最適な訴求軸やキーワード選定を工夫することで、視覚的なインパクトがなくても十分に成果を出すことが可能です。
限られた形式の中でも、ターゲットとニーズに合わせた情報設計が重要になります。
商用での利用が禁止されている
Google Ad Grantsは、非営利団体による公益的な活動支援を目的とした制度であり、商用目的での広告配信は明確に禁止されています。
たとえば、物販やサービスの販売、営利事業の集客を目的としたリンクや広告表現は、ポリシー違反とみなされます。
例え団体の活動資金を得るための商品販売であっても、広告の文面やリンク先が商業色を強く帯びている場合は、審査や運用中に問題となる可能性があります。
そのため、広告文では「販売」「購入」などの直接的な商用キーワードを避け、活動紹介や支援募集、寄付への誘導など公益性のある表現にすることが大切です。
広告先ページの内容や導線設計も、あくまで非営利目的であることを明確にする必要があります。
ポリシー違反はアカウント停止の要因となるため、十分な注意が必要です。
出稿キーワードや広告文に制限がある
Google Ad Grantsでは、使用できるキーワードや広告文にも細かな制約があります。
まず、キーワードにおいては「1語のみの単語(例:water、bookなど)」や「非常に汎用的で意図が不明確な語句(例:today、eventなど)」は使用禁止です。
また、Googleブランド名や他社商標を含むキーワードも制限の対象となります。
広告文においても、誇大表現・不正確な情報・強い扇動的表現は禁止されており、Google広告ポリシーに基づいた内容である必要があります。
また、見出しや説明文に全角記号や感嘆符を過度に使うことも制限されています。
これらのガイドラインを守らないと、広告の掲載が承認されなかったり、アカウントの品質スコアが低下して表示順位に影響が出るため、事前にポリシーを熟読しておくことが重要です。
利用できる入札ツールに制限がある
Google広告では通常、入札戦略として「目標コンバージョン単価(CPA)」「目標インプレッションシェア」など複数の自動入札ツールが使用できますが、Google Ad Grantsでは利用できるツールが限られています。
基本的には「最大化クリック数(Maximize Clicks)」か、コンバージョンタグを正しく設定している場合に限り「最大化コンバージョン数(Maximize Conversions)」が利用可能です。
これにより、予算を自由に調整しながら広告効率を最大化するにはある程度の運用ノウハウが必要になります。
また、スマートキャンペーンやリマーケティングといった一部機能も使用できないため、一般のGoogle広告運用と同じ感覚では成果が出にくい点に注意が必要です。
限られたツールの中で、いかに戦略的に配信するかが運用の成否を分けます。
Google Ad Grantsのアカウントが停止される主な理由
Google Ad Grantsのアカウントは、広告ポリシーや運用ルールに違反すると、突然停止されてしまうことがあります。
運用している団体にとっては大きな痛手となるため、停止のリスクを事前に理解し、適切に対処することが重要です。
ここでは、実際に多くの団体が直面する「よくある停止理由」について具体的に解説します。
クリック率(CTR)が低い
Google Ad Grantsでは、広告全体のクリック率(CTR)が2%以上であることが求められています。
この基準を継続的に下回ると、アカウント停止の対象となる可能性があります。CTRが低いということは、広告が表示されてもユーザーに関心を持たれていないことを意味し、Googleの評価では「広告品質が低い」と判断されるのです。
CTRを維持するためには、検索意図に即したキーワード選定と、訴求力のある広告文が不可欠です。
また、広告グループを細分化し、ターゲットを明確にした構成にすることでCTRの改善が期待できます。
定期的にパフォーマンスを分析し、成果が低い広告文はすぐに修正または差し替えるなどのメンテナンスも重要です。
広告の品質スコアが低い
Googleは広告ごとに「品質スコア」という内部評価を設けており、これが著しく低い場合もアカウント停止の要因となります。
品質スコアは、主にCTR(クリック率)、広告文とキーワードの関連性、ランディングページの質によって決定されます。
スコアが低いと、広告表示の機会が減るだけでなく、Ad Grantsのポリシー違反として停止される可能性もあるため注意が必要です。
対策としては、ユーザーが求めている情報に直結する広告文を作成し、遷移先のページが明確で使いやすいことが求められます。
また、キーワードとの整合性を意識して、1広告グループあたりの語句を絞り込むのも効果的です。
キーワードが単語のみ・汎用的
Google Ad Grantsでは、「book」「today」「event」など1語だけの汎用キーワードや、検索意図が曖昧な単語の使用が禁止されています。
このようなキーワードはユーザーのニーズを特定しにくく、広告の成果に結びつかないと判断されるため、出稿そのものが制限されるか、最悪の場合はアカウント停止につながります。
例えば、「donation」や「help」など、非営利活動に関連する単語であっても、具体性に欠ける場合は審査でリジェクトされる可能性が高いです。
キーワードは常に「誰に、何を、どう届けるか」が明確になるよう設計し、複数語から成るフレーズ(例:「教育支援 ボランティア」「災害 寄付方法」など)を活用しましょう。
自動化ツールに任せず、運用担当者が意図的に調整することが重要です。
アカウントが放置されている
Google Ad Grantsのアカウントは、一定期間「操作や更新がない状態」で放置されていると、活動実態がないと見なされ、停止されるリスクがあります。
具体的には、30日以上にわたって広告の編集・更新・入稿などが行われていない状態が続くと、Googleのシステムが自動的にアラートを検出し、運用停止の判断が下されることがあります。
Ad Grantsは“運用型広告”であるため、常に改善・最適化を図ることが前提となっています。
放置を防ぐには、月に1回以上は広告文の見直し、キーワードの調整、パフォーマンスの分析など、何らかのアクションを行うことが望ましいです。
また、Google広告の管理画面に定期的にログインし、最新情報をチェックする姿勢も重要です。
コンバージョンのタグに不備がある
Google Ad Grantsで「最大化コンバージョン」などの入札戦略を用いるには、コンバージョンタグの正確な設置が必須となります。
しかし、タグが誤って設置されていたり、計測ができない状態が続くと、広告の成果が正しくトラッキングできず、品質スコアが下がる原因となります。
また、Googleのポリシーでは、コンバージョン測定の正確性も運用基準の1つとされており、タグの不備が発覚するとアカウント停止のリスクが高まります。
不備を避けるためには、Googleタグマネージャーなどを活用して、正確にトラッキングが行えるように設定しましょう。
テストコンバージョンを実施して正常に動作するかを確認するのも効果的です。導入後も、定期的な確認とメンテナンスを怠らないようにしましょう。
Googleの広告ポリシーに違反している
Google広告には厳格な広告ポリシーが定められており、これに違反するとAd Grantsであっても容赦なくアカウント停止の対象となります。
違反内容は多岐にわたり、たとえば以下のような行為が問題となります。
- 誇大広告、虚偽表現
- 不明瞭な目的のリンク
- 商標権の侵害
- ユーザーの誤解を招く文言の使用
Ad Grantsは公共性が強く求められるため、一般の商用広告以上に、表現の正確性と透明性が重要視されます。
また、ポリシー違反を繰り返すと“悪質”と判断され、再開申請が通らなくなることもあります。
広告文・リンク先・サイト構造すべてがルールを順守しているか、定期的にセルフチェックを行い、Googleのガイドラインに基づいた運用を心がけましょう。
Google Ad Grantsの効果的な使い方
Google Ad Grantsは単に広告を出すだけでなく、団体の目的に応じた“戦略的な活用”が成果を左右します。
社会的影響力の拡大、協力者の増加、持続的な支援基盤の構築など、活用の仕方次第で得られる効果は大きく変わります。
ここでは、非営利団体が実際に成果を出している活用パターンを、代表的な4つの活用目的に分けて解説します。
団体名や活動の周知などの広報に活用する
Google Ad Grantsは、団体の名前や活動を広く知ってもらう「広報活動」において最も基本的かつ有効な手段です。
特に、設立間もない団体や認知度がまだ低いNPO法人にとっては、検索広告を通じてターゲット層に確実にリーチできる点が大きな強みです。
たとえば、「◯◯支援団体」や「子ども 食糧支援 NPO」など、具体的なニーズに沿ったキーワードで検索された際に広告が表示されれば、興味関心の高いユーザーに自団体の存在を認識してもらうことができます。
また、団体の理念や成果、活動レポートなどを掲載したランディングページに誘導することで、信頼感の醸成や次のアクション(寄付・会員登録)への導線にもなります。
イベントの告知に活用する
Google Ad Grantsは、講演会・ワークショップ・チャリティイベントなど、非営利団体が主催する各種イベントの告知にも活用できます。
イベント情報ページに対して検索広告を配信することで、関心のあるユーザーにタイムリーかつ的確に情報を届けることが可能です。
たとえば、「災害支援 セミナー 東京」や「NPO 活動報告会 参加無料」などのキーワードで広告を表示させることで、集客効率が大幅に向上します。
イベントは短期集中型の集客が求められるため、Google検索で即時にリーチできる点は非常に有効です。
また、イベント後に活動報告ページを作成し、それを広告でリマーケティング的に活用することで、団体の継続的な信頼構築や支援拡大にもつなげることができます。
キャンペーンごとに広告を使い分けることが成功の鍵です。
ボランティアの募集に活用する
非営利活動において欠かせない“人材”の確保にも、Google Ad Grantsは大いに役立ちます。
ボランティアの募集ページを対象に広告を配信すれば、団体の理念や活動に共感した人材を新たに獲得するチャンスが広がります。
「地域 子ども 食堂 ボランティア」や「自然保護 活動手伝い」など、具体的な検索意図を持つユーザーに広告を届けることで、参加意欲の高い候補者を効率的に集めることができます。
特に都市部や学生層を狙ったキーワード設定を行うと、エントリー率が上がる傾向があります。
また、ボランティア活動の魅力や実績をLPでしっかりと伝えることで、参加への心理的ハードルを下げ、行動に移してもらいやすくなります。
人材不足に悩む団体には、継続的な募集広告の展開が非常に効果的です。
会員募集のキャンペーン等に利用する
Google Ad Grantsを活用すれば、支援者ネットワークの拡大にもつなげることができます。
具体的には、年会費による会員制度や継続寄付を促すページを対象に広告を出稿し、団体の活動に継続的に関与してくれる支援者を募ることが可能です。
「NPO 会員 募集」「寄付で支援 継続」などのキーワードは、支援意欲が高いユーザーに届きやすく、コンバージョン率も高い傾向にあります。広告文では“◯◯の未来を支えるサポーター募集中”など、共感を喚起するコピーが効果的です。
また、キャンペーン形式で特典を設けたり、月額支援を呼びかけるモデルを提案することで、より多くのユーザーのアクションを引き出すことができます。
会員制度の充実と合わせて、広告での訴求も継続的に行うことがポイントです。
まとめ
Google Ad Grantsは、非営利団体にとって“費用をかけずに広報・集客ができる”非常に強力な支援ツールです。毎月最大10,000ドルまでの広告費を活用することで、団体の認知度向上、イベント集客、ボランティアや会員の獲得など、さまざまな成果を得ることが可能です。
ただし、参加には「法人格の有無」「テックスープ ジャパン登録」「広告ポリシーの遵守」など、いくつかの要件があります。また、運用においてもCPC制限やCTR維持、コンバージョン管理といった条件をクリアし続ける必要があります。
そのため、単に登録するだけでなく、戦略的な広告設計と継続的な運用改善が成果を左右します。
社会的インパクトを最大化するために、Google Ad Grantsの特性をしっかりと理解し、自団体の課題解決に積極的に活用していきましょう。