マスマーケティングとは? おもな手法やメリット・事例について解説!

大衆向けの広告手段の1つとしてマスマーケティングがあります。マスマーケティングは、不特定多数の消費者に対してアプローチができ、幅広い客層を相手にしたサービスや商品を中心に使われています。

しかし、マスマーケティングにはどのような集客効果があるのか気になる方もいるでしょう。

この記事では、マスマーケティングを使ったマーケティング手法や活用事例について紹介します。

最後まで読んで、マスマーケティングを活用したマーケティングの参考にしてください。

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マスマーケティングとは

マスマーケティングとは、特定のターゲットを定めずに、不特定多数の大衆に対しておこなわれるマーケティングの手法です。

マスマーケティングの「mass」には「大量の・集団の」の意味があり、

「大量生産」「大量販売」を目的にしたマーケティング手法といえるでしょう。

生産者(企業目線)のマーケティングで、1970年代のテレビなどの流行に合わせて、多用されました。

認知の広がりが売上につながる時代であったため、マスマーケティングは大変効果的な手法でした。

駅や街頭といった大衆の目に触れる場や、マスメディアを用いておこなわれる宣伝活動を指したものです。

ターゲットを絞ることなく広告活動ができるため、大勢の消費者への認知を高める効果が期待できます。

マスマーケティングを利用した広告については、下記記事にで詳しく解説しています。マス広告についての理解が深まりますので、ぜひ参考にしてみてください。

マスマーケティングで使われる媒体

主にマスマーケティングで使用される媒体は、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞の4媒体です。

ほかにも街頭広告や駅、電車の中づり広告などにも使われます。

どれも、不特定多数の消費者が目にするものであるといえるでしょう。

「特定の誰か」をターゲットにしたものではなく、大勢の消費者を対象にしていることがあげられます。

例として、下記記事ではテレビCMの広告効果について解説しています。テレビCMの効果について知ることで、マス広告の効果がよくわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。

マスマーケティングのおもな手法

マスマーケティングには、主にマスメディアを活用した手法が多く使われます。

視覚、聴覚にアプローチできるテレビは、芸能人や有名人が多く起用されています。

日用品からサービス、施設のコマーシャル(CM)など、広く展開しているサービスをテレビで多く目にするでしょう。

ラジオは、テレビと比較すると特定の地域の情報や宣伝など、地域の広告をうちやすいというメリットがあります。

雑誌は趣味やファッション、ビジネスや経済など、ジャンルにターゲットを絞った広告がうてることがメリットです。

新聞はニュースやコラムなどを提供する媒体で、近年は紙だけでなく、電子媒体でも普及しています。

新聞の情報は信憑性が高いとみなされやすく、イメージ向上につながるといえます。

マスマーケティングと対をなすマーケティング手法

大勢に対するマスマーケティングの対義語としては、少数に対するマーケティング手法があげられます。

マスマーケティングの対義語として以下の3つがあげられます。

  • セグメントマーケティング
  • ターゲットマーケティング
  • ダイレクトマーケティング

の3種類があります。

セグメントマーケティング

セグメントの意味は「部分」や「区分」となっており、市場を分析しグループに分けることを「セグメンテーション」と呼びます。

そして、それぞれにアプローチする手段のことをセグメントマーケティングと言います。

市場にはさまざまなユーザーがいるため、マスマーケティングでは高い効果が期待できない場合にセグメントマーケティングが使われます。

セグメントマーケティングには、Rank(優先順位)Realistic(市場規模)、Reach「到達可能性」Response「効果の測定可能性」という4Rと呼ばれる4つの基準が存在します。

例としてデザイン性を売りにしているappleがあげられます。

新規開拓ができ、顧客ニーズが把握できるなどメリットがあります。

セグメントは時代の流れにより変化していくため、常に市場を調べておく必要があります。

ターゲットマーケティング

ターゲットマーケティングとは、セグメントによって細分化された市場から絞り込んだ顧客層にアピールする手法です。

ターゲットマーケティングには、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの頭文字をとったSTP分析というフレームがあります。

セグメントでターゲットの分析を詳細に行い、ターゲティングで顧客を絞り、ポジショニングにより自社の市場でのアプローチを決める方法です。

市場のポジショニングにより会社のイメージが固まると競合他社との差別化が図れるため、ブランディングとしても有効です。

ただし、ターゲティングによるターゲット層を誤ってしまうと機会損失につながってしまうため、注意が必要です。

ダイレクトマーケティング

顧客にメッセージなどで直接アプローチをかける手法をダイレクトマーケティングと呼びます。

Amazonなどのおすすめ商品の表示やDM(ダイレクトメッセージ)などが例としてあげられるでしょう。

顧客の反応が数値化などでわかりやすいため、対応策が考えやすくPDCAが回しやすい点がメリットとしてあげられます。

顧客の反応などのデータを集めるのに時間がかかる点がデメリットとなっています。

マスマーケティングを効果的に使っているブランド・企業の事例

名前を聞くと多くの人がロゴや商品を思い浮かべるという点で、マスマーケティングを効果的に扱っている企業は数多くあります。

  • コカ・コーラ
  • マクドナルド
  • P&G
  • ソフトバンクグループ株式会社
  • ゼスプリ

上記の企業は、CMなどの広告を効果的に用いて知名度を上げ、誰もが見聞きしたことのある企業と言えるでしょう。

コカ・コーラ

赤い背景に白い文字の飲料メーカーといえば、コカ・コーラが思い浮かぶでしょう。

キャッチコピーに「いつでも・どこでも・だれにでも(Anytime, Anywhere, Anybody)」

を掲げており、コカ・コーラの赤い自販機を街中で見かけることも多いでしょう。

コカ・コーラは、おもにライトユーザーをターゲットにしたマスマーケティングで成功を収めています。

その国や時代に合わせたCMやCMソング、キャンペーンなどを使い、定期的な話題提供を行っています。

コカ・コーラは熱心なリピーターを生み出すより、大勢に周知させることをすぐに思い出し、購入につなげやすくすることで成功しているといえるでしょう。

マクドナルド

マクドナルドといえば、赤い背景に黄色で大きくMと書かれたロゴが思い浮かぶでしょう。

SNSでアピールするためにキャッチーなワードのキャンペーンを打ち出したり、

他社の製品とのコラボをSNSで拡散させる戦略を打ち出したりと、大勢の消費者へとアピールしています。

これにより、普段あまりマクドナルドを利用しない層にもPRできるため、新規顧客の獲得につなげられるといえるでしょう。

P&G

プロクター・アンド・ギャンブル社(通称P&G)は、化粧品や洗剤などを扱っているメーカーです。

マーケティングにおいて「Consumer is Boss」(コンシューマーがボス)という考え方を大切にしており、行動やビジネスの中心に消費者が存在することを意味しています。

CGなどを用いた消臭効果をPRしているファブリーズや、肌に優しいことを売りにしているパンパースなど、日用品のCMで多く目にすることでしょう。

ジェンダーや環境などの社会問題にも触れています。

洗濯や洗剤のCMに男性タレントを用いたり、環境に配慮した素材を利用したりするなど、企業の姿勢もイメージ向上につながっているといえるでしょう。

ソフトバンクグループ株式会社

「おとうさん」という白い犬をイメージキャラクターにしているソフトバンクも、マスマーケティングの代表例です。

家族をテーマにしたミニドラマのようなCMや、野球チームのイメージがあるでしょう。

ソフトバンクはLINEやYahoo!といった外部サービスと提携し、そのサービスのユーザーを取り込みました。

競合他社と比較すると歴史の浅かったソフトバンクですが、マスマーケティングにより、他のauやドコモと肩を並べるレベルにまで知名度を伸ばしました。

その結果、大衆に認知される企業となったソフトバンクは、成功例といえるでしょう。

ゼスプリ

ゼスプリは、アニメーションを用いたキウイの広告

を打っている企業です。

「キウイ兄弟」というイメージキャラクターを用いて、大衆向けの広告を展開しシェアを獲得しました。

商品のキャラクターを用いることにより、タレントを起用する場合と比べ、直接商品のイメージにつながるというメリットがあります。

これは、日本向けのマーケティングを日本支社が担当し、日本に合わせた宣伝方法で広告を打ったためです。

スーパーのフルーツ売り場やCMで起用されるキャラクターを使った掲示や、シールなどを用いたイメージ戦略を行っています。

マスマーケティングのメリット

大勢の消費者にアピールすることのできるマスマーケティングには、ターゲットを絞らず多くの層に周知できます。

それにより、以下のようなメリットがあげられます。

  • 多数の消費者にリーチしやすい
  • 幅広い顧客層に訴求が可能
  • 大量販売が見込める

マスマーケティングのメリットをご紹介していきます。

多数の消費者にリーチしやすい

マスマーケティングはターゲットを絞らないため、多数の消費者に届きやすいというメリットがあります。

ターゲットを絞るマーケティング手法では取りこぼしてしまう消費者層にもアプローチが可能です。

テレビや駅など多くの消費者の目に触れる媒体での宣伝を行うため、より多くの消費者に対してアプローチができるというメリットがあります。

幅広い顧客層に訴求が可能

一般的にマーケティングはセグメントにより、ターゲット層を絞り込みます。

しかし、セグメントを必要としないマスマーケティングは、幅広い客層への訴求を可能にしています。

テレビやラジオなどだけでなく、駅や街中などさまざまな場面で広告をだすことにより、より多くの消費者の目に触れることができます。

広告をきっかけに商品を知ることになる潜在顧客に対しても、サービスの知名度向上のメリットにつながります。

消費者全体に対してサービスの魅力を発信できるため、顧客獲得のチャンスを広げることのできるメリットがあるといえるでしょう。

大量販売が見込める

一般的に、マスマーケティングが行われる商品は、日用品や食品が多くなっています。

これらは多くの層をターゲットにしているため、大衆に周知するのが目的であるマスマーケティングとは相性の良いものとなっています。

大勢の消費者に周知することにより、大量販売につなげることができるというメリットがあります。

このマーケティング手法が使われるのは日用品や消耗品が多い傾向にあります。

繰り返し見聞きすることで単純接触効果により、身近に感じ購入しやすくできます。

そのため、消費者がなじみのある商品を手に取りやすくなるというメリットがあります。

マスマーケティングのデメリット

多くの消費者層にアプローチ可能なマスマーケティングですが、ターゲットを絞れない分、広告費が高くなってしまうというデメリットがあります。

  • コストが高くなる
  • 細かくマーケティングできない

コストが高くなること、ターゲットが絞れないというデメリットを考慮して活用するかどうかを検討しましょう。

コストが高くなる

マスマーケティングでの広告活動は、テレビや駅の広告など、大衆の目に触れるため広告のコストが高くなるというデメリットがあります。

テレビCMや新聞の広告などは、高額な広告費がかかっており、加えて芸能人の起用などで制作費が高額になる傾向にあります。

例として、テレビ広告の費用について確認してみましょう。テレビの広告費用については下記記事にて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

マスメディアの広告は、CMを何度も継続して出す必要があったり、複数の媒体で広告をうったりと大きくコストがかかってしまいます。

そのため、マスメディアを活用した広告を出したい場合は、コストが高額になってしまう点を検討するべきと言えるでしょう。

細かくターゲティングができない

マスマーケティングは、大衆に向けて広告を発信するため、効果のあるターゲットを絞り込むことができないというデメリットがあります。

そのため幅広い消費者層に受け入れられる日用品や、大量生産することのできる製品に多くマスマーケティングが用いられます。

購買層が限定されている商品には不向きなマーケティング手法でもあります。

広告を出す前に、商品が「大衆向けのものか」「使用頻度が多いか」を考慮することをおすすめします。

ターゲット層が広い商品でなければ効果が見込めないためです。

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まとめ

本記事では、マスマーケティングを活用したマーケティングのメリットと活用事例を紹介しました。

メディアだけでなく、街中にも多く見られるマスマーケティングの手法は、多くの消費者への認知を高めるためのアピール戦略として期待されています。

マーケティング手法として多く用いられるセグメントを利用せず、ターゲットを絞らないマスマーケティングは多くの消費者を対象にした日用品や食品に多く用いられています。

活用の際は、コストが高額になってしまう点やターゲティングができないといったデメリットを考慮して導入すると良いでしょう。